世界のバレエ史に偉大な軌跡を残し2011年に逝去した、バレエ振付家の巨匠ローラン・プティ。
パリ・オペラ座の委嘱を請けて1965年に制作された大作「ノートルダム・ド・パリ」は、文豪ヴィクトル・ユーゴーの長編小説から物語の象徴的なシーンを巧みに繋ぎ合わせ、力強く劇的な一大絵巻を創り上げました。
人間の心に潜む愚かさ、弱さ、欲望、そして献身的な愛を見事に謳いあげたバレエ史に残る傑作です。
さて、今回はそんな大作のあらすじを1分でご紹介します!(前編)
舞台は15世紀末のパリ。
ノートルダム大聖堂にはカジモドという鐘突きが住んでいた。
幼い時にノートルダムの司教代理フロロに拾われた彼は、その醜い姿から鐘突き塔に隠れるように暮らしていた。
1幕1場 道化祭(中世に行われた異教の乱痴気騒ぎ)
「道化祭」の喧騒を聞きつけて広場に現れたカジモド。おどけた仕草をあれこれ競い合っていた群衆が一瞬唖然とする。カジモドの並外れて醜い姿を見たためだ。
群衆は嘲笑し、残酷なまでに軽蔑的な態度でカジモドが「道化王だ!」と騒ぎ、憐れなカジモドを行列の中に引き込んで連れまわす。
1幕2場
群衆の乱痴気騒ぎをフロロが制した。フロロは群衆を諭し、恥じ入ったカジモドは忠犬さながら彼の足元にひれ伏した。
この一見冷酷で厳格な容貌に隠れたフロロの心は密かに苦しみにさいなまれている。
エスメラルダを見かけて以来、タンバリンの音が耐え難い妄想のように彼の耳に鳴り響いているのだ。
1幕3場
そこへエスメラルダが登場する。
美しく情熱的な肉体で踊る姿に、欲望で気が狂いそうになるフロロ。
聖職の身でありながら、エスメラルダの美しさに邪悪な欲望を抱いたフロロは
カジモドに、エスメラルダを誘拐し彼のもとに連れてくるように命じる。
1幕4場
カジモドはエスメラルダを追ってパリの猥雑な街を行く。
1幕5場
カジモドから逃れようとするエスメラルダ。歩兵隊が介入しカジモドから逃れるエスメラルダを擁護する。エスメラルダは一目で美男の隊長フェビュスに魅せられる。
一方カジモドは歩兵隊に散々殴られる。
最初はカジモドの外見を恐れていたエスメラルダだが、彼の苦しみを憐れみ、カジモドが殴られる様を見物していたやじ馬の群衆をかき分けて彼に水を与える。
その時カジモドは生まれて初めて、自然な憐憫の行為を受けた。
しかも並外れて美しいエスメラルダに。
この行為は哀れなカジモドの魂を揺り動かし、彼の運命を変えることになる。
つづきは、あらすじ後編で!
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